摂食障害としてよく名前を知られている「過食症」。過激なダイエットの結果そうなってしまう、と思われがちですが、実は単純な「ダイエットトラブル」ではなく「心の病気」の一つなのです。
主な原因はストレスであると言われています。人間関係・家族関係・仕事・勉強・習い事・失恋などなど、ストレスの形は人それぞれですが、プレッシャーが強くかかっていたり、極度に落胆してしまった時に発症することが多いようです。
ダイエットもストレスの一つです。
無理のないダイエットならば問題ありませんが、過激なダイエットは体にとっても心にとっても強いストレスになります。我を忘れて過食し、なかったことにするために吐いたり下剤を必要以上に飲んで体の外に出そうとして更に体にストレスをかける…という悪循環に繋がっていってしまいます。
なぜ「ストレスを受ける⇒過食」に陥ってしまうのか。これは脳の仕組みによるものです。
食欲を抑制するのに活躍してくれているセロトニンという脳内物質があります。通常の人はこのセロトニンの働きによって食欲を抑えることが出来ているため過食には至らずに済んでいます。
しかし、コルチゾールという別の脳内物質によりセロトニンが減少してしまい食欲の抑制が利かなくなる場合があります。
コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれており、強いストレスを受けると脳が敏感に反応しこの脳内物質を大量に分泌します。その結果セロトニンが減ってしまい食欲が押さえられず過食に陥ってしまうのです。
もともとコルチゾールは体の中の免疫機能や骨の代謝や電解質の代謝などに関係する非常に大事な物質で、ストレスを受けた時に体が負けないように免疫力を高めたり、火事場の馬鹿力を発揮させたりすることが出来る物質なのですが必要以上に出てしまうと「過食症」などの問題を引き起こしてしまうというわけです。
また、ストレスだけでなく脳自体に問題があってこのセロトニンが通常通り分泌されないケースもあり、この場合も「過食症」を発症してしまうことがあるようです。
過食症になっている人の特徴を挙げてみると
・体型は標準体重の人が多い
・体重が増えることに恐怖感がある
・食欲のコントロールができない
・過食した後、吐き出すなど人為的に外に出そうとする行為を繰り返す
・強いストレスがある
・完璧主義
・自己評価が低い
などがあります。
もちろん人によって違いは出てきますが、週に2回以上過食・吐き戻しなどがあり、その状態が3ヶ月以上続いている場合は「過食症」を疑った方がいいでしょう。
冒頭でも述べた通り「過食症」は「心の病気」であることがほとんどです。
特効薬などがあるわけではありませんので、認知行動療法などを続けてゆっくり治していくことが一番の近道になります。
焦らずじっくり付き合って自分を認めてあげるようにしていきましょう。
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